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秋肥が最大14.5%値上げ。次の肥料年度を前に見直したい「肥料コスト」の3つの入口

2026年10月4日 | 読了:約4分
秋肥が最大14.5%値上げ。次の肥料年度を前に見直したい「肥料コスト」の3つの入口(イメージ画像)

「肥料の値段が、また上がった」——今年の秋肥(6〜10月)について、そう感じている農業経営者の方は多いのではないでしょうか。

JA全農が示した令和8肥料年度の秋肥価格は、春肥と比べて全品目が値上げとなりました。輸入尿素は14.5%、塩化加里は7.3%、高度化成(15-15-15)は5.0%の引き上げです。秋肥の期間が終わり、次の肥料年度の購入を考え始める今が、肥料コストを見直す よいタイミングです。今回は、値上げの背景を確かめたうえで、すぐに取り組める3つの入口を紹介します。

値上げの背景は「原料」「為替」「中東情勢」

全農によると、海外の肥料原料は窒素・りん酸・加里のいずれも需要が堅調で、昨年末から市況が上昇しています。そこに円安の進行が重なりました。とくに輸入尿素は、中東情勢の影響でいち早く市況が上がり、大幅な値上げとなっています。報道では、尿素の国際市況は昨年末の1トン約400ドルから、4月末には約900ドルと2倍以上になったとされています。

国産の尿素や硫安は上げ幅が小さく、尿素(国産)は0.2%、硫安は1.4%にとどまりました。ただ、こちらも国内の労務費や物流費の上昇が背景にあります。

日本は化学肥料の三大原料(窒素・りん酸・加里)をほぼ全量輸入に頼っています。調達先は、尿素の中国依存が2020年度の27%から2024年度には3%へ下がるなど多様化が進みました。それでも、海外の市況と為替の影響を受けやすい構造は変わっていません。

入口1:買い方を変える

最も手を付けやすいのが、買い方の見直しです。農林水産省は、肥料のコスト低減策として次のような例を示しています。

近隣の農家さんと注文をまとめれば、満車直送の条件に届くこともあります。地域でまとめて買う動きは、コストだけでなく、人のつながりも強めてくれます。

入口2:使い方を変える

次に、同じ収量をより少ない肥料で得る工夫です。

作付け前の土壌診断で、土の中の肥料成分の過不足を確かめると、過剰な施肥を抑えられます。施肥機の繰出し装置を点検・清掃し、設定どおりの量を落とすことも大切です。埼玉県の技術対策では、側条施肥などで施肥量を1〜3割減らせるとされています。露地野菜では、局所施肥で2割程度の削減が見込めるとしています。

「去年と同じ量を、同じようにまく」という習慣を、一度立ち止まって見直してみてはいかがでしょうか。

入口3:資源の選び方を変える

3つめは、地域にある資源を肥料として活かす視点です。

堆肥や緑肥を取り入れると、化学肥料の使用量を減らせます。国も、国内の資源の利用を後押ししています。2030年までに、肥料に使うりんのうち国内資源の割合を25%から40%に高める方針で、堆肥や下水汚泥の使用量は倍増を目標としています。

家畜ふん堆肥は、畜産農家と耕種農家が地域でつながることで、はじめて循環します。地域の畜産農家、食品工場、自治体と連携すれば、「廃棄物」だった資源が「肥料」に変わります。肥料コストの削減が、環境への負荷を減らし、地域の循環をつくる——農業と環境、地域活性化を一緒に考える、GREEN BENEFITの視点とも重なる取り組みです。

なお、国内肥料資源の利用を支える国の事業は、令和8年度にも公募が行われています。肥料高騰に対する直接の補填など、利用できる支援は時期によって変わるため、農林水産省や都道府県、JAで最新の情報を確認してください。

まとめ・行動提案

肥料の価格は、自分の力では変えられません。けれども、「どう買うか」「どう使うか」「何を使うか」は、経営者が決められます。

まずは次の3つから始めてみませんか。

小さな見直しの積み重ねが、価格の波に強い経営につながります。

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