
宮城県大崎市で開かれる「おおさきオープンイノベーションピッチ2026」(主催:一般社団法人おおさき産業推進機構)で、GREEN BENEFIT株式会社がセミファイナリストに選ばれました。2026年9月18日に発表があり、過去最多となる118社の応募のうち、28組が選出されています。最終審査は10月末です。
今日は、どんな提案をしたのかをお伝えします。使われなくなったハウスをお持ちの方、冬の仕事づくりを考えている方に、そのまま当てはまる話だと思います。
大崎にあった、二つの「もったいない」
ひとつは、眠っているハウスです。農業をやめた、規模を縮小した、雪でハウスが傷んだ。そうした施設が地域に点在しています。解体するにもお金がかかるため、そのまま残されている場合が少なくありません。全国では、直近6年で施設園芸の面積が約2,000ヘクタール減り、再生できる荒廃農地は9.8万ヘクタールにのぼります。
もうひとつは、担い手です。「農業を始めたい」「障害のある方の働く場をつくりたい」という人はいます。それでも、施設をゼロから建てれば数千万円。この初期投資の重さが、入口をふさいでいます。
資産はある。人もいる。結びついていないだけです。私たちはそう見ています。
冬になると、国産の生バジルは市場から消える
結びつけるには、真ん中に置く作物が要ります。私たちが選んだのは生バジルでした。
私たちの聞き取り調査では、夏(6〜9月)は国産がほぼ出回って値が下がり、秋(10〜11月)に急減、冬(12〜3月)にはほとんど姿を消します。一方で、イタリアンのお店や加工業者の需要は一年中あります。つまり、冬に出せる産地があれば、値下げ競争をしなくてよい場所が空いている、ということです。
寒い土地は不利に見えます。けれど「冬に出す」という一点では、むしろ勝負どころになります。
建てない。借りて、載せる
提案の中身は単純です。眠っているハウスをそのまま借り、屋根に太陽光を載せ、中に水耕の設備を入れる。建てないので、初期投資は設備だけで済みます。
屋根のパネルには、もうひとつ役割があります。夏は直射日光をさえぎってハウスの中の温度上昇を抑え、冬はその電気を暖房にまわす。営農型太陽光を「発電の副収入」としてだけでなく、栽培そのものを助ける道具として使う考え方です。
冬の加温費は、この事業の一番の弱点です。そこは正直に書いておきます。太陽光の自家消費、二重の保温カーテン、株元だけを温める局所加温、養液の温度管理。この4つを重ねて越える設計にしています。
通年の仕事をつくる
栽培は、農業法人ホルス合同会社(ホルスファーム)と組みます。すでに動いている養液の管理方法、IoTでの環境制御、産直ECを含む販路を、そのまま持ち込みます。ゼロから試す実験ではありません。
そのうえで、地域の福祉事業者と農福連携で運営します。ハウスの中の仕事は天候に左右されず、一年を通してあります。季節労働ではない、通年の働く場をつくれます。
ハウスを貸す方には賃料が入り、解体費の心配がなくなります。働く方には通年の仕事が生まれます。地域には、冬に出せる産地が残ります。
10月末、最終審査です
施設は動かせません。だからこの事業は、始めたら大崎に残ります。実証の段階から地域に拠点を置くつもりでいます。
結果はまたご報告します。
なお、この提案の考え方——「いま持っている資産を数え直して、次の収益源をつくる」——は、大崎に限った話ではありません。使われていないハウスや倉庫、遊んでいる農地、冬に空いてしまう人手。心当たりがあれば、一度ご相談ください。