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インボイスの「8割控除」が10月から7割に。免税農家がいま確かめたい3つのこと

2026年10月5日 | 読了:約4分
インボイスの「8割控除」が10月から7割に。免税農家がいま確かめたい3つのこと(イメージ画像)

「うちは売上1,000万円もないし、インボイスは関係ないと思っていた」——秋の収穫で忙しいこの時期、そんな農家さんにも少し気にかけてほしい変更が、2026年10月1日から始まりました。

インボイスを発行できない免税事業者から仕入れたとき、買い手が差し引ける消費税の割合が、これまでの8割から7割に下がったのです。令和8年度の税制改正で決まった見直しで、国税庁も特設ページで案内しています。

変わったのは買い手側の計算ですが、その影響は取引条件の相談という形で、売り手である農家さんに届く可能性があります。今回は、何が変わったのか、誰に関係があるのか、そして何から確かめればよいのかを整理します。

何が変わったのか:「8割」から「7割」へ、その先も段階的に

インボイス制度では、買い手が消費税の計算で仕入れ分を差し引くには、原則として売り手のインボイスが必要です。ただ、いきなり差し引けなくなると影響が大きいため、免税事業者からの仕入れでも一定の割合は差し引ける「経過措置」が設けられています。

国税庁の案内によると、その割合は次のように変わります。

つまり、免税事業者から仕入れる買い手の負担は、これから数年かけて少しずつ重くなっていきます。今回の10月は、その最初の一段です。

誰に関係があるのか:販路によって大きく違う

ここで大切なのは、すべての免税農家に同じように影響するわけではない、という点です。

JAに出荷している分は、「農協特例」と呼ばれる仕組みがあります。売値・出荷時期・出荷先などの条件を付けずに販売を任せ(無条件委託方式)、一定期間の平均価格で精算する(共同計算方式)場合には、農家さんが買い手にインボイスを渡す必要はありません(農林水産省の案内より)。認定を受けた卸売市場に出荷を任せる場合も、同じような「卸売市場特例」があります。

一方、次のような取引はこうした特例の外にあります。

こうした売り先の多くは課税事業者で、免税農家から仕入れると、今回の変更で負担が増えます。直販や業務用の取引を増やしてきた農家さんほど、影響を受けやすいと言えます。

確かめたいこと1:売上を「特例が使える販路」と「使えない販路」に分ける

まずは、昨年の売上を販路ごとに書き出し、農協特例・卸売市場特例が使える分と、使えない分に分けてみてください。

使えない分がごくわずかなら、あわてる必要はありません。反対に、直販や飲食店との取引が売上の大きな部分を占めているなら、取引先との関係を早めに考えておく価値があります。

確かめたいこと2:登録した場合の負担を見積もる

インボイス発行事業者に登録すると、消費税の申告と納税が必要になります。ただし、負担を軽くする仕組みもあります。

免税事業者から登録した個人事業者は、令和8年分までは納める消費税を売上の消費税額の2割にできる「2割特例」が使えます。令和9年分と令和10年分は、これが「3割特例」に変わります(個人事業者が対象で、法人は対象外。国税庁の案内より)。

また、簡易課税という計算方法では、食用の農産物を作る農業のみなし仕入率は80%とされています。どの方法が合うかは経営によって違うため、税理士や青色申告会などに、自分の数字で試算してもらうのが確実です。

確かめたいこと3:取引先とは「話し合い」で決める

取引先から価格や登録について相談が来ることもあるでしょう。そのとき知っておきたいのが、国の考え方です。

財務省や公正取引委員会などがまとめたQ&Aでは、形だけの交渉で買い手の都合だけで著しく低い価格を決めることや、「登録しなければ値下げ、応じなければ取引をやめる」と一方的に通告することは、独占禁止法などの上で問題となるおそれがあるとしています。

もちろん、取引先にとっても負担が増えるのは事実です。だからこそ、相手の事情も聞きながら、価格・登録・取引量を一緒に話し合う姿勢が、長い付き合いにつながります。

まとめ・行動提案

インボイスの経過措置は、これから数年かけて段階的に小さくなっていきます。今回の「8割→7割」は、自分の販路と取引先との関係を見直すよい機会です。

まずは次の3つから始めてみませんか。

登録するか、しないかに正解はありません。大切なのは、自分の数字を知ったうえで選ぶことです。その一歩が、販路を守り、手取りを守ることにつながります。

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